今年の夏は暑い! ・・・ということで水資源の話
カテゴリー:屋上緑化 タグ:水資源, 無灌水屋上緑化 2016年08月16日
今年の夏、長期予報通り暑い日が続いています。
全国で熱中症や水の事故などが報道されていますが、
それに加えて、この時期、心配されるのが渇水。
そこで今回は水資源の話題。
「日本は水資源の豊かな国」
なんとなくですが、そんな思い込みがないでしょうか。
ところが、実はそうではなかったという話です。
まずは地球上の水資源からみてみましょう。
宇宙から眺めた地球。
その水の量、14億キロ㎥。
想像もつかない数字ですが、誰もが「水の豊かな惑星」と考えていると思います。
ところが、この水の中で淡水として存在するのはわずか2.5%。
しかも、そのほとんどが北極や南極の氷。
さらに地下水などを除き、我々が容易に利用できる水は0.001億キロ㎥で地球上の水の0.01%。
まずは地球規模で見てもわずかな水資源だということをご理解ください。
出典:国土交通省水資源部「平成27年度 日本の水資源の現況」
次に日本の水資源の話です。
日本の年平均の降水量は約1,700㎜で世界平均のおよそ2倍と言われています。
下のグラフの青いバーで示されるよう、アメリカや中国に比べても、
豊かな降水量が理解できます。
出典:国土交通省水資源部「平成27年度 日本の水資源の現況」
ところが、降水量だけでは日本は「水資源の豊かな国」ということにはなりません。
水資源賦存量という考え方があって、
これは、
「水資源として理論上、人間が最大限利用可能な量で、降水量から蒸発散量を引いたものに当該地域の面積を乗じて求める」
とあります。
それによると、日本の一人あたりの水賦存量(年間)は約3,400㎥で、
世界平均の半分以下となってしまいます。(先ほどのグラフの緑のバー)
日本は、人口密度が高いことに加え、
降水が梅雨期、台風期、降雪期に集中している。
さらに地形が急峻で短い川が多いため、
降った雨の大部分が利用されないまま海に流出してしまうためこのような結果になってしまうようです。
さらに、関東地方だけに限ると一人あたり水資源賦存量(年間)は約900㎥。
この数字、驚くことにケニアやモロッコ、エジプトなどと同レベル。
演歌の題名じゃありませんが、まさに「東京砂漠」ですね。
さて、セダムを植栽したグリーンビズ屋上緑化は無灌水。
このことが日本、とりわけ首都圏にあってどれだけ重要か、ということを、
もっと訴え続ける必要があると気づいた次第です。
都電荒川線 軌道緑化実験 継続中(グリーンビズセダム緑化)
8月10日の様子。
施工後約半年、猛暑でもこの状態です。